「地域のために自分ができることってなんだろう?」
ぽくは静岡県島田市川根町の地域おこし協力隊になって、そろそろ3年目に入ります。
めぐりめぐって帰って来たテーマがこれです。
今回は「地方は活性化するか否か」というマンガをおすすめ!
読む気が失せるくらいカタいタイトルですが、ゆるい女子高生が主役です!
略して「ちかすい」ですし(笑)
舞台は限界集落ではなく人口30万人の地方都市
このマンガの舞台となるのは「みのり市」という架空の市です。
ただこの「みのり市」、田舎や限界集落ではなく人口30万人の地方都市なんです。
都会と田舎の間くらい。そこそこ自然に囲まれているけど、生活に不便はない。
「この地域が衰退を始めている」ということに気がつかずに生活している人も多いのではないでしょうか?
リアルです。
当事者意識をもつことなく、真綿で締められるように緩やかに衰退していく地方都市。
限界集落の潰れかかった温泉宿が一発逆転!というストーリーの『限界集落(ギリギリ)温泉』というマンガも痛快で好きです。
でも、「ちかすい」の設定は実はリアルで暗い。
リアルで暗い内容ですが、ネガティブになりすぎることなく主人公のかわいい女子高生たちがパランスを取ってくれています。
盛り上がっているようで実は「イベント貧乏」!?
「イベントで人がたくさん集まった!」
というのは十分すごいことなのですが、イベントの開催にはお金がかかってます。
トータルで見たらイベントは儲からないことの方が多いようです。
でも、お客さんは満足してくれるし、イベント終了後は達成感もある。
そして一時的なカンフル剤であるはずのイベントを毎月のように繰り返してしまう。
一見にぎやかで盛り上がっている地域も、実はそんな「イベント貧乏」だったりします。
やばい。リアルな話ばかりで泣きそうです。
「地域の外からお金を稼ぐ」という視点
よくよく観察すると、「地域の中から外に向かってお金が流れ出ている」という状況ってたくさんあると思うんです。
さっきの「イベント貧乏」もそう。
「地域の外からお金を稼いでくる」という視点って忘れがちになっちゃうんですよね!
ぼくも協力隊の任期後の起業のテーマとして「外から稼ぐ」ことを理想としてます。
これは2014年にベストセラーとなった『里山資本主義』の中でも似たようなことが触れられていました。
地域の外に支払っていたエネルギー代を試算した。すると、毎年、六〇〇万ユーロものお金が流出していた。このお金の流れを変え、地域内で循環させれば、町はもっと潤うのではないか。里山資本主義、誕生の瞬間だった
引用:里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
地域おこしの当事者はだれなのか?
「行政・民業・市民の協働で地域おこしを!」というとステキな話です。
でも逆にこの「みんなで!」が誰も責任を負わない状況を作り出しているようにも思います。
そうなると「がんばってない他のヤツらの責任だ!」ってなっちゃうんです。
人口30万人のみのり市では、なおさら責任が分散して「当事者意識」を持ちにくそうですね。
地域おこしのために自分たちが「行動」としてなにができるか?
女子高生たちが「自分たちができることはなんなのか」と考え始めます。
「地方再生のためにはこれじゃダメだ!」「こういう仕組みが必要だ!」と批判を述べて終わらないのです。
この批判だけのブログみたいに(笑)
登場する女子高生たちが地域おこしのために、自分が「行動」として何ができるのか?というところまでつきつめていく。
「心構え」とか「意識」とかそんな気持ちの話ではなく、「行動」を引き起こす。
「次の行動」を起こそうと奮闘する女子高生を応援したくなります。
かわいいし。
おわりに
Web4コマ 地方は活性化するか否か
webマンガから書籍化されたこのマンガ。
一発逆転の気持ちのいい話ではなく、暗くて地味な話なんです。
「地方創生」の華やかなイメージの影で、地味にすすむ衰退。
リアルなんです。
「地域のために自分ができることってなんだろう?」
地域おこしや地方活性化に興味が出たら、まず最初に読んでほしい一冊です。
もう「教科書」にしちゃってもいいくらいだと思います。
30分ほどで読み終えることができますので、「さっと読みたい」という方にもどうぞ。
[…] 「地域おこしってなに?」って人は読んでみて!30分で読めるマンガ「地方は活性化するか否か」がすごい! […]