地域おこし協力隊の活動のひとつに「空き家バンク」の整備・活用が含まれています。
全国的に「空き家バンク」を設置している自治体は多いのですが、うまくいっているところは少ないみたいです。
空き家はどうやって生まれるのか?
都市と地方ではちがうのですが、地方では特に「気持ちの問題」がけっこう大きいんです。
この「気持ちの問題」に対してうまく立ち回らないと、空き家の活用は進みません。
『実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと』(かんき出版)の高橋正典氏のインタビュー記事を引用させていただきます。
実家の処分、どうすればいい!? 親と”本音で話す”コツを専門家に聞いてみた! | マネー | マイナビニュース
空き家特措法の施行でどう変わるか?
もう一つの要因は、空き家特措法(「空家等対策の推進に関する特別措置法」)が今年5月に全面施行されたのが大きいです。
空き家問題は以前からありましたが、このニュースで話題に上がってきましたね!
制度をどう活かすかはともかく、注目が集まっていることは追い風になります。
空き家の所有者は自分が死んだ後までは考えていない
実家のことを悩んでいるのも、相続税対策で悩んでいるのも、基本的に財産を受け取る予定の子どもたちがほとんどです。それに対して、相続させる側の親は現実を直視していないところがあって、子どもだけがあがいています。親に相続の話をもちかけたりすると、喧嘩になったりしますから。
自分の先祖が住んでいた家を大事にしてもらいたい。
自分が死んだら、「きっと」息子が帰ってきて家を継いでくれる。
そう思い込んでしまっている所有者も多いと思います。
自分が死んだ後のことを子どもと話し合って決めてある人って少ないですよね。
自分の家に誇りを持っている
すごくいい家でお母さんは売りたくないだろうから、この家は売らない方がいいですねと私から言うと、お母さんが喜ぶので。今回は「実家の処分」というキーワードで本を書いていますが、ポジティブな話というのは、何とかこの家を維持していきたいという切り口であれば、親にとってポジティブな話になります。
先祖代々受け継いだような古民家は特にそうですね。
必ず柱や梁の太さを自慢されます(笑)
いや、ほんとうに自慢していいくらい素晴らしいんですよ。
その素敵な家を残していきたいんです。
世帯数に対して住宅数は十分なのに、あえて新築建てるってなにか違和感ありませんか?
「とりあえず」で空き家が生まれる
空き家を持っている人のほとんどが問題を先送りして、将来実家をどうするか計画がないから、とりあえず空き家にしているケースが多いんです。仮に、売る時期がいずれ来るのだとしたら、家は使える状態でないと売れないんです。
使ってはないんだけど処分するとしてもお金がかかるし、固定資産税だって大した額じゃない。
だったら、「とりあえず」そのままにしちゃうんですね。
そのうち空き家特措法は施行させれましたが、明日、急に行政代執行でぶっこわされるわけではありませんからね。
「どこのだれかわからない若者に家を貸せって?」
だから、こういう話をするときは、親の幸せを願うということを自分に言い聞かせないと、話がこじれてしまいます。相続対策は親の幸せを願うという前提で、言葉を選ばないとトラブルになってしまって、真意が伝わりません。
この「親」を空き家の持ち主に置き換えると問題がわかりやすくなるかもしれません。
地方で空き家を持っている人はその家に思い入れがあるわけです。
「空き家」と呼ばれることを嫌がる人もいるらしいです。
「どうせ使ってないんだから、外から来た若い人にかしてあげたら?」なんて言ったら意地でも貸してくれなくなるでしょう。
所有者やその家自体のためだというスタンスが必要ですよね。
おわりに
地方の空き家問題は「気持ちの問題」が大きいです。
地域性にもよりますが、よそもんがやってきて家貸してくださいって言っても無理ですよ。
息子さんに説得を頼んでも難しいでしょうね。
きっと「家のこと勝手に決めるな!」って親子ゲンカになります。
空き家活用の話を「誰に」してもらうのか、というのがけっこう重要です。
ぼくも地域おこし協力隊として信頼を得なければなりませんし、顔が広い地元のキーマンとのつながりも必要です。
仕事や肩書きではなく「自分を売る」って田舎では大事ですね。
参考
実家の処分、どうすればいい!? 親と”本音で話す”コツを専門家に聞いてみた! | マネー | マイナビニュース